天の川銀河は2段階で平たくなった
私たちの銀河の円盤は、ふつう二つの円盤が一つになったものとして説明される。力学的に「冷たく」より若い薄い円盤と、「熱く」より古い厚い円盤だ。星々はどこでどのように生まれたかの記憶を保っているので、銀河の形成過程の化石となる。それを扱うのが銀河考古学だ。
古い星ほど銀河面から高く広がっていることは知られている。だが、なぜだろうか。二つの説明が競い合っている。
- ゆっくりした加熱:星々は薄く冷たいガスの層のなかで生まれ、数十億年のあいだに巨大分子雲、渦状腕、中心の棒構造に軌道を揺さぶられて、しだいに高いところをさまようようになる。
- 逆さまの形成:若い銀河のガス円盤そのものが厚く乱れていた。激しい物質の降着、合体、強いフィードバックにかき回されていたのだ。古い星々は単に厚く生まれ、その後ガスが冷えて落ち着いた。
両者を見分けるには、星の完全なサンプルについての精密な年齢が必要だ。とくに、物事が急速に進んだ最初期についての年齢が。
星を集団で年代測定する
カナリア天体物理研究所のダビド・ミラバル(David Mirabal)、カルメ・ガジャルト(Carme Gallart)らは、グラナダ、テラモ、ビクトリア(カナダ)の共同研究者とともに、ChronoGalプロジェクトに取り組んでいる。星を一つずつ年代測定するのではなく、ヨーロッパのガイア(Gaia)衛星(第3期データ公開)が測定した太陽近傍の星々の色等級図全体を、合成恒星種族の組み合わせで再現する。その結果、それぞれの年齢と金属量で何個の星が生まれたかの地図が得られ、年齢の精度は5%よりよい。最も古い星では約5億年にあたる。
彼らは銀河面から1キロパーセク以内の星々を調べ、運動学的に「冷たい」サンプルと「熱い」サンプルに分け、高さ方向に8層に切り分け、選択で漏れた星を補正した。続いてクラスタリングのアルゴリズムが、星々をほぼ単一の年齢と金属量をもつ種族にまとめた。チームはそれぞれについてスケールハイト、つまりその種族が銀河面から典型的にどこまで広がっているかを測った。
急なペースの変化

恒星種族の厚みと年齢の関係。最も古いものでは急激に下がり、108.5億年前の転換点のあとはゆっくり減る。色は金属量を示す。— 図2、Mirabal et al. (2026), arXiv:2610.03164.
若い種族ほど銀河面に寄り添っている。だがその関係は一本の直線ではない。二本の直線で当てはめると、108.5億年前(誤差は約1.3億年)に転換点が見つかる。
- それ以前:厚みは10億年あたり約1.88キロパーセクずつ減った。最も古い種族は1.26キロパーセクにわたって広がり、とりわけ古い二つはさらに大きく、約1.75と2.10に達する。そしてわずか約20億年で、厚みは約0.5キロパーセクまで下がった。
- それ以後:薄くなる速さは、10億年あたりわずか0.038キロパーセクに鈍った。最も若い種族は約0.1キロパーセクにとどまり、今日生まれる星は約0.12まで広がるはずだ。
初期の減少率の不確かさは大きいが、二つの様式ははっきり区別できる。転換点よりわずかに古いだけの約110億歳の種族でさえ、厚い円盤全体(約0.9キロパーセク)より厚い。この転換点は、自動的に定義したグループの代わりに、年齢と金属量の単純な一様格子を使った検証にも耐える。
厚く生まれた
著者らにとって、ゆっくりした加熱だけでは、これほど急速な初期の沈降は説明できない。頻繁な合体があれば、若い円盤は最後の大きな合体まで熱いままだったはずだ。著者らがGSEと呼ぶその合体は、約100億年前に起きた。データはむしろ、初期段階での逆さまの形成を支持している。乱れたガスは数十億年かけて冷え、銀河の中央面へ沈んで厚い円盤をつくった。化学的に定義される厚い円盤は、約110億年前までにできあがっていた。
その後、おおよそその合体のあと、銀河はより静かな時代に入った。ガスはゆっくりと落ち着き、今日見られる薄い円盤を築いた。この後半の時期については、データだけでは、ゆっくりした加熱とゆっくりした沈降を見分けられない。この描像は、天の川銀河に似た銀河の宇宙論的シミュレーションや、銀河が回転する円盤へと「スピンアップ」した時期についての最近の年代推定とも一致する。
著者らの言葉によれば、最も古い星々の大きな高さは「長期にわたる永年的な力学的加熱の結果にすぎないのではなく、初期の銀河の形成段階を伝える構造上の化石」である。
