宇宙・天文学プレプリント観測1分で読めます

蒸発していく惑星

恒星のすぐ近くを回るため、表面が岩の気化する温度に達してしまう岩石惑星がある。惑星が十分に小さければ、この鉱物の蒸気は逃げ出して広がり、一部は凝縮して塵になる。地球から見ると、こうした惑星は恒星の前を通過するとき、きれいな丸い影を落とさない。恒星の光は不規則に、むらがあるように、通過のたびに違ったかたちで暗くなる。隠しているのは主に、後ろにたなびく塵の雲だからだ。これが崩壊しつつある岩石惑星だ。知られているのはほんの一握りしかない。

これまで天文学者がそこから逃げ出すのを見てきたのは、主に塵だった。しかし計算によれば、蒸気には原子や分子も含まれているはずだ。ナトリウム、一酸化ケイ素、マグネシウム、鉄、そしてなにより岩の主要な成分である酸素だ。こうした系でナトリウムやカルシウムを探した試みは、ほとんどが上限値を得るにとどまっている。

30時間で一周する惑星

BD+05 4868 Abは、明るいK型矮星のまわりを1.27日で回る。その通過で恒星は0.8〜2%暗くなり、前には短い塵の尾が、後ろにはずっと長い尾がある。論文がもとにしている先行研究によれば、この惑星は毎秒約2 × 10¹²グラムの塵を放出しており、恒星に面した表面は1,820ケルビン近くに達している。

小さな望遠鏡で酸素を探す

インディアナ州立大学のコーディ・ウォーカー(Kody Walker)とジェームズ・ウォレス(James Wallace)は、酸素の正確な指紋に狙いを定めた。可視光スペクトルの赤い端、7,774オングストローム付近にある三つ組の吸収線だ。これらの線は、酸素原子の励起状態から始まる。1,820ケルビンでは、熱だけではその状態を満たせない。確率はおよそ10²⁶分の5だ。もし線が現れるなら、何か別のものが原子を励起しているはずだ。恒星からの紫外線が電子をはぎ取り、電子を再び捕らえた原子が、その励起状態を通って段階的に下りてくるのだ。

彼らの装置は控えめだ。ウィスコンシン州スタージョン・ベイにあるリーフ・エバーソン天文台の口径43センチメートルの望遠鏡と、低分解能の分光器。この分光器では、わずか3.45オングストロームしか離れていない三本の酸素の線が、13オングストローム幅の一つのにじみにぼやけてしまう。2025年5月から7月にかけての8夜で、彼らは塵の尾が通過しているあいだに24枚、それ以外のときに73枚のスペクトルを記録した。スペクトルは見た目ではなく軌道上のタイミングで分類され、地球大気の補正は酸素の領域を見ずに計算された。ほかの2台の望遠鏡による測光で、当時この惑星が活発に塵を放出していたことが確かめられた。

9%のくぼみ

通過のあいだ、スペクトルには7,774オングストローム付近に余分な吸収が現れ、通過していないときには見られない。深さは最大で約9%、幅は装置によるぼやけと同じだ。著者らは、示した不確かさは妥当な解析上の選択を網羅する範囲であって、正式な統計的有意性ではないと強調する。

7,700〜7,800オングストローム付近の恒星の光を示す二つのパネル。トランジット中には7,760〜7,770付近にくぼみが現れ、トランジット外では曲線は平らなまま。

トランジット中(a)とトランジット外(b)で平均したスペクトル。陰影部分は不確かさを示す。— 図3、Walker & Wallace (2026), arXiv:2610.04986.

塵の外まで広がるガス

恒星に照らされた酸素ガスの単純なモデルで、このくぼみを再現できる。強さも、深さも、装置でぼやけたあとの幅も同じだ。励起状態にある必要があるのは、酸素原子1,000万個に1個だけだ。ただしガスは薄い塵の層のはるか外側まで広がり、恒星の円盤のおよそ3分の1を覆っていなければならない。塵の層の中に閉じ込められていたら、ありえないほど大量のガスが必要になる。代表的な解では、惑星は塵の約5倍のガスを失っていることになる。著者らはこの数値をモデルに依存するものであって、測定値ではないとしている。

恒星が偽物かもしれない

著者らは**「候補」**というラベルを外さない。恒星自身にもこれらの酸素の線があり、その形は円盤上の場所によって変わる。塵の尾が円盤の一部を隠すと、惑星の酸素がまったくなくても、トランジット中とトランジット外のスペクトルの比較にくぼみが現れうる。この分解能では、二つを見分けることはできない。地球大気による汚染は可能性が低いと著者らは見ているが、完全には否定できていない。

より鮮明なスペクトルはすでにある

検証はもう手の届くところにある。先行チームが口径3.5メートルのWIYN望遠鏡で撮った、この恒星の高分解能スペクトル7枚は、三本の線をきれいに分離している。惑星の信号なら、惑星の公転に合わせて現れたり消えたりするはずだ。恒星の線はそうはならない。確認されれば、沸騰して消えつつある惑星の塵と原子のガスとを結ぶ、最初のつながりになるだろう。

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